「情報を活かす力」(著:池上彰)を読んで

 わかりやすい解説で人気のある池上彰さんが書いた「情報を活かす力」を読んでみました。本の中でなるほどと思った役立てたい情報の活かし方をご紹介します。

 私たちが日々新聞やメディアなどで仕入れる情報は、表面的な理解にすぎません。深く理解し、使える情報にするためにはどうすればよいのか。

 「誰かに説明するつもりで情報収集をする」説明できることで、初めて自分の頭のなかで整理された情報として身についていくのです。

 情報収集するときには、情報を伝える「相手が何がわからないか」を意識的に考えて行なうことが重要です。それだけでも「説明がわかりやすい」という評価を得ることができます。

 誰かに説明して反応が良くない場合は、情報そのものよりも「伝え方」がよくない可能性が高いのです。他人とのコミュニケーションでは、相手に物事を伝えるときに「要するにこういうことです」と簡潔に伝える能力が必要になります。その能力を養う上で、「新聞記事を短くする」訓練は大変役に立ちます。「要するにこの記事は何を言いたいのか」を把握できなければ、要約することができません。文章を短くしようと考えながら読むことで、「要するにどういうことか」をつかむ能力が養われていきます。

 さらに、自分の考えを誰かに発信していくには、内容を相手に理解してもらう必要があります。そのためには表現力や文章力が必要になります。短い文章は読みやすく、聞いている人にもわかりやすいメリットがあります。短い文章を積み重ねることで、リズムが生まれ、説得力が増していくのです。

 では、文章を書くのが苦手な人は、どうしたらよいのか。

 まず、何でもいいから思いついたことを書いてみる。文章にすることで、自分の考えをまとめる訓練になります。

 つぎに、文章力を上げる方法として、意識的に接続詞のない文章を書くことで論理力を鍛える。文章を書くときは、接続詞を極力少なくする努力をしてみる。接続詞の多い文章は幼稚な文章になってしまうのです。

 例として、小学生の文「朝起きました。そして歯を磨きました。そして朝ごはんを食べました。そして学校へ行きました。」のようにそしての連発が、幼稚な文章と感じられてしまいます。

 また話し上手な人は、「つかみ」がうまい人です。話し上手は、最初に「えっ」と思うようなことから話始めます。

 プレゼンテーションの原稿を考えるときにも、最初に「とにかくすばらしいです」とか「とにかく驚くべきことなんです」と書いて、それから「それは~だからです」と話を展開させていくのです。原稿が完成したら「とにかく・・」という文章を削除します。こうすることで、いちばん伝えたいことを最初に述べることができます。

 その他、ここでは紹介しませんでしたが取材・インタビュー術や読書術、ニュースの読み解き方などの情報があります。

 この本を読んでみて、情報収集の活かし方について、「へぇ~」と思うことなど、今までと違う面からも考えられ、なるほどということを感じさせてくれました。さすがわかりやすい解説で知られる池上さんの本でした。